シュッツ合唱団50周年
シュッツ合唱団50周年
カテドラルの固い椅子の座り心地の悪さも忘れ、永遠に浸っていたい幸福感に満たされる。言葉が蔑ろにされ、言葉による暴力が蔓延すこの時代に、聖書の言葉を音楽に乗せて力強く立ち上げることに一生を費やしたシュッツに励まされる気がした。祝福されたコンサートだった。おめでとうございます。
このコンサートは、シュッツ合唱団の50周年記念演奏会のひとつ。50年は長い。モーセがシナイの荒野で彷徨っていた時期よりもはるかに長い。この長い期間、活動の基盤はシュッツ一筋。活動継続の困難は部外者の想像を超えているが、シュッツ/聖書が紡ぐ真実の言葉に支えられていた奇跡と云うしかない。
事前にちらしをいただき、それを見ただけで何かドキドキした。黒い背景に大きな日本語縦書きで
神はその独り子を賜ふほどに、この世を愛し給へり
背後にはルター訳のドイツ語、薄く横書きで
Also hat Gott die Welt geliebt,
daß er seinen eingeborenen Sohn gab
聖書全体の縮図としてルターが「小福音書」と呼んだ聖句である。日本語とドイツ語が交差して十字架をかたどっている。これほど確信に満ちた強いメッセージを発するちらしを見たことがない。
コンサートの構成も、まさにこの曲に焦点を当てて組まれていた。家に帰ると、壁には母の揮毫で聖句
それ神はその獨子を賜ふほどに世を愛し給へり
すべて彼を信する者のほろひすして
永遠の生命を得んためなり
2日後の日曜学校の礼拝では、同じ聖句をもとにした讃美歌5番を歌った。
かみさまは、そのひとりごを、
よのなかに、くださったほど、
よのひとを、あいされました。
かみのこを、しんじるものが、
あたらしい、いのちをうけて、
いつまでも、いきるためです。
2018年9月21日金曜日