放送大学
放送大学
『タモリ倶楽部』だけはなるべく見るようにしているが、最近テレビを見る時間が減った。積極的に見る番組は皆無である。あまりにつまらないからだ。先日も折角テレビをつけたのだがロクな番組が見つからず、チャンネルを適当に変えていたら「放送大学」のチャンネルに行き当たった。
講師の美学者・青山昌文さんが、プラトンとアリストテレスの話をしていて、アテネ、アクロポリスの脇にあるディオニュソス劇場でロケをしている。久し振りに授業を受けている懐かしい感覚。これが結構面白い。曰く、ディオニュソス劇場の収容人数は15000人。これは、演劇祭の時にアテネの成人男性全員が観劇できる規模である。当時のアテネでは観劇は義務であった。娯楽であること以上に、政治そのものであった。だから15000人は昼間観劇しなければならないし、それで仕事を休むことになれば国家が休業補償をした。これがデモクラシーの最初期の姿。
この講義が結構面白かったので、昨夜も同じ頃にテレビをつけてみると、ル・トロネ修道院が映っている。俄然見る気になってきた。代表的なロマネスクの教会建築をいくつか訪ねて、柱頭彫刻など特徴的な部分を観察する。面白い。
ただ、画面の脇に「地上波での放映は9月末で終了する」との告知が出ている。えーえーそうですよ、うちはどうせ地上波しか映らないですよ。折角良いチャンネル見つけたのに。全テレビ局は全番組を即座にやめて全部「放送大学」用のチャンネルにする、に一票。
2018年9月25日火曜日