8月9日
8月9日
長崎原爆の日。浦上天主堂の解体についての記事を読む。
https://www.huffingtonpost.jp/2018/08/08/urakami-church-history_a_23498823/
(2018年08月09日ハフィントンポスト)
負の遺産については、保存/解体問題が常につきまとい、早計に判断できない事象も多くあると思うが、個人的にはどんなものも出来るだけ残した方が良い、と思っている。地震や津波をすぐ忘れるのと同様、人災も忘れた頃にやってくるからだ。人は忘れることで明日への希望を何とかつなぎ止めようとし、忘れることで過去の過ちをまた繰り返す愚かな生き物だ。
丹下健三の広島計画は、言うまでも無く産業奨励館「原爆ドーム」を保存することを前提として提案されている。このことが、どれだけ広島の市民、被爆者たちにとって重たい意味を背負い続けることになるのかを、1930年代旧制高校時代、広島に暮らした丹下自身は承知の上でのことだっただろう。それでも保存を選んだのは「未来の歴史に対する謙虚な姿勢」を優先したからに違いない。
人間が基本的に愚かな生き物であることを認めることから未来は始まる。無知であることに目をつぶり、未来に対しての無責任で傲慢な態度が、負の遺産の保存を困難にしている。
2018年8月9日木曜日