8月6日
8月6日
広島原爆の日。
砂漠の真ん中では出かける場所も無いので、夜は宿舎でおとなしくしている。非力なネット環境ではあるがいろんな動画を見て時間をつぶす。時間を潰すにはシリーズ物が良いだろうと思い、「ナニワ金融道」「チャップリンの映画」「新世紀エヴァンゲリオン」などジャンルを問わずネット上で引っかかるシリーズ物を片っ端から見ている。最近は松本清張原作のテレビドラマ。
松本清張の書いたものは、戦争が色濃く影を落としている。ドラマを見る人も、演じる人も、松本自身も、戦争体験は共通言語だった。70年以上経ち、戦争に対する危機意識が希薄になったと感じるのは、大多数にとって「戦争」という言葉がリアルな力を持たなくなりつつあるからだろう。誰も戦争が何かを知らず、軽率で不用意に戦争に近づいていることにも気づいていない。何にせよ、気づいているものが気づいていない衆愚に警鐘を鳴らすのは、極めて困難な作業である。
母は1923年、父は1927年に生まれた。子供にとって祖父母みたいな年齢の親だった。彼らは青春を戦争とともに過ごして来たので、家族の会話に戦争の話題が登場するのは普通のことだった。両親とも広島出身である。松本清張も、実は広島生まれらしい。
2018年8月6日月曜日