エジプト5
エジプト5
0310
休日だが今日もオフィス。E-JUSTは今日がオープンキャンパスで、大勢の若者で溢れている。300人の高校生が見学に来ているらしい。Ma先生が3脚のビデオカメラでその様子を撮影している。
日本のニュースを見る。バブル崩壊以降の日本の降下は、今回の首相と彼の腰巾着らの刑事事件で決定的になるだろう。卑屈な従属を続け、主権国としての発信力は無く、立憲主義・平和主義は政権内部から崩壊し、人間の尊厳は省みられない。すでに日本の国際的な地位も急激に下降する一方で、現に目の前のアジアで起きている重大な国際問題では蚊帳の外に置かれている。振返って見るに、国権の最高機関でのやり取りで「言葉」があまりに軽んじられ続けた結果ではないか。一旦言葉の力が失われてしまうと、回復するための道を作ること自体が不能に見える。凄まじい凋落ぶりである。皆、なぜ怒らないのだ。怒りの語彙を既に持っていないのかもしれない。
今日はアメリカが市民に無差別攻撃を行った東京大空襲の日。
0311
7年経つ。自然の力に抗うことは出来ないにしても、原発事故は余計だった。広大な国土を失ったことを皆覚えているのか。国破れて山河あり、の筈だったのだが、山河が失われてしまった。核に対する無知と軽率が起こした人災の決着はまだついていない。
E-JUSTでは学会か何かが開催されていて、スーツ姿が多数集まっている。今日の妖気に比べ、昨日の高校生たちは清々しかったな。
明日帰国するMを見送る食事会。エジプト人R推奨・アレキサンドリアのイタリアンに行ってみた。トマトスープのようなもの、リゾットのようなもの、ピザのようなもの、サルティンボッカのようなものなどを頼んだのち、オマルハイヤームのロゼを抜く。ロゼ悪くない。保存状態が良いだけかもしれないが。
0312
朝、Mの帰国。カイロ空港1330ぐらいの便。これまでいつも時間厳守の運転手Samehが来ない。電話すると「sorry sorry ten minutes」予定時刻を30分ほど過ぎたところでやって来た。珍しい。というか、これまで彼が時間厳守だったのが珍しい。遅れるのが標準なのだ。ついでに言うと、飛行機の離陸も遅れることが多い。先日事務の人を現地で採用しようと思い何人か面接してみた時に、ある人の履歴書に「特技・時間厳守」と書いてあるのを見て、この国ではそれが特種なことだと再認識させられた。
官邸前で抗議行動が沸き起こっているようだ。海外にいると余計に気になる。日本人が組織されていない市民の手で政治の軌道を正す極めて珍しい実例になるかもしれない。これでダメなら、日本沈没だ。
2018年3月10日土曜日