キマイラ
キマイラ
宇賀神のような人獣合一のキマイラ、古代エジプトの神々を連想してしまう。首から上が動物、体は人間(男女の性別有り)の場合が多い。そして無理矢理とも思える合体っぷりが凄い。
宇賀神は蛇の体と人間の顔だったが、エジプトの場合、蛇と人間の関係が反転する。即ち顔がコブラで、体が女の女神=Meretseger。かなり強引な組合せだが、もっと凄いのもある。Khepriは男の体にフンコロガシが乗っかっている。
古代エジプトでは、後ろ足で動物の糞を球形にして転がすスカラベが、太陽や月のウンコー、運行を司る神・ケプリを象徴する生物として崇拝されていたという。この図像を見た人は、太陽神に思いを致すというのか。
矢内原伊作の『ジャコメッティ』を読むと、「見えた通りに描く」ことに挑戦し続けているジャコメッティが何度も絶望する様が描かれている。その時ジャコメッティが「エジプトの絵画程、人間を写実的に描いた絵画はない。」と呻く姿が印象的だった。ホントにそう思っていたのかね。
2017年8月16日水曜日