8月15日
8月15日
事務所に行くと、インド出身のスタッフが「It's an Independence day today!」と喜んでいるので「Congratulations! For Korean Independence, also! 」と隣に座っていた韓国出身のインターン生にもお祝いの言葉を伝える。インドがイギリスから独立したのは1947年。韓国の「光復節」(광복절)は日本の敗戦当日1945年。
この日は敗戦の日であると同時に、開放の日でもあった。日本人にとっても。いつも読ませていただいている藤尾正人(92歳8ヶ月)さんのブログ、今日付けの記事(http://www.t3.rim.or.jp/~fujio/Roujin/index.html)をそのまま引用させていただく。
『あなたの父上は国賊、いや偉いかた』
ひとむかしも前、わたしがつづけていた聖書の話に、1組の姉妹がよくお出でになりました。おふたりの父上は、元・日本共産党の委員長でしたが、昭和初期の左翼弾圧時代に逮捕投獄されます。悪名高い「治安維持法」違反で。ふたりの娘さまは母上につれられ、小菅監獄(現・東京拘置所)へ時々面会に行かれたそうです。
ところが、上のお姉さまが、旧制の東京府立高等女学校へ受験に行かれると、「国賊の娘は入学させない」と門前払い。そこで、キリスト教主義の東洋英和女学院に入学志願したところ、「あなたのお父さまは偉いいかたです」と言われたのです。お姉さまも、そのあと妹さまも、そろって六本木の東洋英和女学院に学ばれ、おふたりとも、のち洗礼を受け、クリスチャンになられました。
このことで、父上自身が投獄された苦しみだけでなく、治安維持法のため、その家族もどれだけ世間から白眼視されたかがわかります。これは、昨年の国会で成立した「テロ等準備罪処罰法(通称・共謀罪)」でも言えることです。
さて、きょうは8月15日。72年目の敗戦記念日です。この日から数年間、米国占領下の日本は、天地がひっくりかえる激変の時代でした。歴史が轟音をあげてわたしの目の前を駆け抜けたのです。強大な帝国陸海軍は煙のように消え、政教は分離、国家神道は禁止、神さまとされた昭和天皇が人間を宣言し、言論や思想や信仰など、なにもかも自由になり、財閥は解体、地主の土地は没収、小作人はすべて独立自営の農民に変わり、女性も参政権を得、主権在民、基本的人権の尊重、戦争放棄の平和憲法ができ、労働者の団結権、団体交渉権、スト権が認められたのです。
この初期の米国の占領政策が社会主義的なのはなぜでしょう。占領軍総司令部の有力なスタッフが、占領前に日本の(国家主義、軍国主義を批判する)左翼の文献を読みこみ、日本でなにをすべきかをよく知っていたからです。改革の多くは、弾圧されながら昭和初期の日本の左翼の論客たちが、長年命がけで民衆のため獲得しようと考え抜いたことばかりです。それが米国のニューディール政策を担った進歩派に影響を与え、敗戦後実を結んだのです。まさに神の配剤。父上が投獄されて、かえってキリスト信仰にみちびかれるとは、これぞ神の配剤。「なにごとにも時がある。戦いの時、平和の時」(コヘレト3・8)
2017年8月15日火曜日