ハト
ハト
ハトはハトだと思っていたら、日本には何種類もいるらしい。この辺りにいるハトは、ドバトとキジバトのようだ。
よく見るのはドバト。首のまわりが角度によって紫や緑にキラキラしている奴ら。外来種だと云うが、日本にも1000年以上前からいた記録が残っている。伝書鳩として活躍する能力の高いハトだが、人を怖れず馴れ馴れしい態度をとるのもこいつらだ。
キジバトは日本の在来種。羽の色はドバトに比べ地味。首に青と白の縞があるのですぐ分かる。ボクは子供の頃からこのキジバトの鳴声を聞いて育ったが、その声がキジバトの声だということを知らずにいた。図鑑では確認しきれなかった鳴声の主が、今ではネットの音声情報のお陰で見事特定できる。万歳。
カラスに負けず劣らず人間との関わりが深いハトだが、カラスと違い評価が高い。方舟から先ず放たれて、洪水の水がひいていなかったために行き場がなくウロウロして結局方舟に戻ってきてしまったカラスと比べ、後から放たれたハトは、オリーブの葉っぱをくわえて戻ってきた後、もう一度飛び出て戻ってこなかった。洪水の水が引いて陸地が顔を出したことを証ししてくれたのだ。聖書の描くカラス〜ハトの順番は、カラスは役立たずでハトは有用だという有史以来の人類の思いが投影されているに違いない。
人はハトと共に生きてきた。宗教儀式のために生贄として捧げたり、伝書鳩として通信手段としたり、そしてもちろん食材として。エジプトの田舎では、食用のハトを飼育するための泥レンガで築かれた10〜15mぐらいの塔がそこかしこに立っていて、極めて特徴的な風景の構成要素となっている。この塔で飼われるハトは要するに放し飼いだが、帰巣本能が強いので夕方になると自分が食べられるとは知らず帰ってきてしまうのだ。だが、考えてみると放し飼いされているハトが食べているのは他人の畑で作っている穀類ではないのかな?
ともかくも、これを見るとエジプトに来た気分になり、無性にハトが食べたくなる。ニワトリに比べると骨張っていて食べられる肉の部分が少ないが、味は濃い。
2017年7月27日木曜日