ウォーキング
ウォーキング
運動不足が極まってきたので、また歩き出すことにした。
数年前にも運動不足解消のため思い立って走り始めた途端、つい昔の勢いで走ってしまい、即座に脚を傷めてしまった過去が甦る。高速で走る人を羨望と尊敬の眼差しで見つめながら、今回は出立ちだけは当時と同じで、無理に走らず歩くことにした。
同じ時間帯に同じルートを歩いて見ると、毎日同じ人や犬たちを見かける。人や犬は大体同じ格好、毎日同じ顔つきで歩いている。対照的に、周囲の樹々、花々、鳥、か弱い者たちは季節の微少な変化に敏感に反応して、日毎に新しい姿を見せてくれる。芽吹いたばかりの透き通るような若葉はいつの間にか色濃くなり、カイツブリの雛は泳ぎを覚え、巣を出て見当たらなくなった。今日は馬酔木の花がたわわに咲いているのに気づいた。大木である。独特の匂いで、桜に代わり周囲を威圧している。
ゆっくり周囲を観察しながら歩くと、日々の変化に気づくことが多い。走らず、歩いている理由にしておこう。
2017年5月13日土曜日