311
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一週間後にイースターを控えた「棕櫚の日曜日」の礼拝では『讃美歌21』の311番=Paul Gerhardt の「血潮したたる」を賛美した。マタイ受難曲にも採り入れられていることから、クリスチャン以外の方々にも比較的良く知られた賛美歌の一つだと思う。
私は高校時代にリヒター/ミュンヘンバッハのマタイ受難曲に出会い、そのLPをヘビーローテーションで聴いていたのだが、そのことに気づいていた牧師=父親が、私の信仰告白の礼拝で、クリスマスでありながら受難のこの曲「血潮したたる」をわざわざ選んで礼拝に組み込んだことを忘れられない。1979年のこと。
亡くなった父の誕生日は3月11日だった。東日本大震災の日を闘病のベッドで迎えた父は「3月11日にこんなことになるとは思わんかった。忘れられんな」と呟いた。
311。この数字の並びを目にすると瞬時に、忘れられない様々なことが甦る。
2017年4月9日日曜日