Madhat KAKEI
Madhat KAKEI
画家、Madhat KAKEI の千葉にあるアトリエを訪ねた。
千葉駅からタクシーで12-3分、緑に包まれた趣のある木造2階建ての1階部分を借りて日本の拠点にしている。趣のある、というのは山の端の緑に囲まれた素晴らしい立地であることはもとより、一時期は打ち捨てられ廃屋になっていたであろう築100年になろうとする元・診療所の枯れた佇まいが、子供の頃に育った牧師館の風情を思い出させ、懐かしい気持ちになったからかもしれない。
Madhat KAKEIは1954年イラク領に生まれたクルド人で、マドリッドの美術学校に留学した。卒業して帰ってみるとイラン・イラク戦争の真っ只中。従軍し前線に立ったこともあったが、敵のイラン兵もクルド人だということが分かり、銃を捨て脱走、いろんな国を経由してスウェーデンに逃げた。今はスウェーデンの市民権を持っている。日本には1986年に初来日し、以来日本とスウェーデンを行き来しながら創作している。
彼の作品に囲まれて、心尽くしのクルド料理(鶏肉・野菜・クルドのスパイスを煮込んだスープをご飯にかける)を御馳走になり、秋雨の庭を眺めながらいろんなおしゃべり。良い日だった。
翌朝のニュースは「イラク軍キルクーク侵攻」を報道。生まれ故郷キルクークに美術館をつくろうとしているKAKEIさんの胸中いかばかりか。
2017年10月16日月曜日