沙漠

 


今回の出張は、工事が始まった沙漠の現場視察。アレキサンドリアの西の果て、沙漠の現場作業を見ていると、始原、建築は地球の表面を引っ掻いて砂を移動する報われない行為だったのだと感じる。砂に水を混ぜ型に入れて日干しすれば泥レンガが出来、作業性が向上する。それを発見するのに我々の先祖は何万年かけたのだろう。パウダー状の砂が少しの風で巻き上がると、北京もかくやの視界の悪さ、目が痛い。沙漠だったラスベガスで最初に工事を始めた先人も、砂嵐にやられてこんな気持ちだったのか知らん。


月の沙漠を はるばると 旅の駱駝が 行きました

金と銀との 鞍置いて 二つならんで 行きました


沙漠は通過する場所であり目的地ではない、筈だった。


夜、カイロの喧噪に突入。人間の皮膚表面には他人の気配を感じるセンサーが備えられている。超高人口密度のカイロに入ると細胞がざわつき、騒音がそれに拍車をかける。エルシドで夕食。赤ワイン・オマルハイヤームは相変わらず微妙な味だったが、食事は今までのこのレストランで最も美味しかった。同窓のK氏、T氏と不思議な巡り会いで食卓を囲むことになったのも味に影響したに違いない。


関係者の情報によると、最近◯ICAではトルコエアーの使用、及びフランスへの入国が禁止されたという。彼ら、もはや海外で仕事出来ないんじゃないかな?


帰りのカタールエアーはほぼ満席。イスタンブールを経由して移動していた人たちがドーハを使い始めたのだろうか。

 

2016年9月18日日曜日

 
 

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