コープマンのバッハ

 


トン・コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団@オペラシティー

「オール・バッハ・プログラム」

管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068

シンフォニア ニ長調 BWV1045

ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調 BWV1049

ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調 BWV1048

カンタータ 第42番 《この同じ安息日の夕べ》  BWV42 よりシンフォニア

管弦楽組曲 第4番 ニ長調 BWV1069            


チョー気持ちいい!


音楽を何に喩えたとしても、それは音楽ではないのでなかなか伝わりにくいのがもどかしいのだが、今日の「チョー気持ちいい」感じは普段の仕事に引き寄せると、解像度の極めて高い画像を見ている気持ちに近いかも知れない。立体に喩えるとモザイク処理された円空仏のような大胆さと対照的な、ピクセルの粒を感じさせないベルニーニの大理石。今夜の演奏は、ベルニーニの恍惚感に誘う滑らかさに喩えるのが相応しいのだろうか。


それだけではない。この演奏者達は、人が演奏した音を自分の楽器から出しているとしか思えないようなハモり方をしている。歪みのない和音。たとえ楽器が違っても、ヴァイオリンとオーボエ、弦と管ですら、同質の音に聴こえる。その同質性がアンサンブルを支えている。「バロックはノンビブラート」とかいう教条的次元をはるかに越えて、音の原理に肉薄する迫力ある和声だ。


わがユビキタス・バッハにも無限の課題があることを省みる。


アンコールは2曲。

管組3番エール

管組4番レジュイサンス


拍手鳴り止まず。

 

2016年10月3日月曜日

 
 

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