カイロ 0131

 


5時に目が覚めてしまって、そのまま起床することにした。


人の爪が伸びるスピードはどのくらいなのだろう。前回の出張で爪切りを持ってくるのを忘れてしまい後悔したことも忘れている。今回も爪切りを忘れてしまった。ヴァイオリニストは上手も下手も皆揃って深爪派。こんなヘッポコなボクですら少しでも爪が伸びていると気持ち悪い。洗髪時に、頭皮を傷つけてしまいそうだ。指先数ミリにも満たない変化で、人の気分は大きく影響を受けるんだな。


今日は出張最終日。爪が伸びていてなんだかいやな予感がする。金・土と休日のカイロは、週の始め=日曜日の渋滞が酷い。運転マナーという概念が皆無、退社時の大渋滞に巻き込まれ空港まで2時間以上も車に乗っていると疲労困憊の極致である。大回りをして何とか空港到着を果たしたのだがその後がいけない。大渋滞の所為か搭乗予定客が揃って皆遅れ気味なのだ。いつまで経っても離陸しない。イスタンブールに着いた時には次の離陸まで30分。よりによってターミナルまでノロノロタラップを降りてバス移動。ターミナルに駆け込み「時間がない!」と搭乗券を振り回し叫びつつ乗継ぎの手荷物チェックを100人抜きのショートカットで突破し、案内の掲示板を見ると「FINAL CALL」が赤く点滅。準備運動もなく一番遠くのゲートまで全力疾走である。久し振りに喉の奥からなつかしい血の匂いがする。「あ、あの機体だ。」だが、辿り着く直前にゲートは閉まっていた。


訊けば「24時間後のフライトしか無い」と育ちの悪そうなターキッシュエアー地上勤務のXXXXがぬかしやがる。市内の五つ星ホテルで過ごしていただきます、、で難民よろしく連れてこられたのは滑走路脇のラディソンブルー収容所。どこが市内の五つ星なのだ。おまけに言い訳と責任回避しか得意技のないXXXXフロントで1時間も待たされた挙句、眠ったのは良いが、離陸の騒音で4時間後に目が覚めてしまう。こんなところで一日何すりゃいいのだXXXXと呪いの言葉を口にしながら、怒りを忘れないためにこのメモを書きなぐる。エコ エコ アザラク。精神衛生上不健康極まりない。そういえば帰国後1日間を置いて健康診断の筈だったのだが、延期するしかないな。今、このささくれ立った気分で健康診断したら緊急入院に決まっている。

 

2016年1月31日日曜日

 
 

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