ホルンリサイタル

 


Hr. 日橋辰朗(にっぱし・たつお)/Pf. 松岡美絵 @紀尾井ホール


ホルン奏者は体の左側を客席に向け斜に構える。ベルから出る音が、背後のピアノや壁に反射し、ホールの中に音が偏りなく広がるように考えた角度なのだろう。その斜めの姿勢が、視覚的には控えめで大人しそうな印象を醸し出しているが、音そのものは、近づき遠ざかり、鋭く優しく、激しい変化の渦を巻き起こしていた。知らない曲ばかりかと思っていたら、2曲目のシューマン「アダージョとアレグロ」は聞いたことがある。ホルンで聞いたのか、チェロだったのかうろ覚えだが。いい音と素晴らしいテクニックを堪能。


ボクらの演奏でご一緒させてもらっているホルン奏者の方々は、ロータリーの付いていないナチュラルホルンを吹く。調性によって管を部分的に交換したり、ベルの中で右手をモゴモゴやったりしながら吹いている。どうやら右手の先でモゴモゴやる技術が大事らしい。ホルンが他の金管楽器と違って左手でロータリーを操作するのは、微妙なモゴモゴを利き手の右手でやっていたからなのだろう。


ポール・マッカートニーやチャップリン、ラインハルト・ゲーベルみたいに楽器を左右逆に持って演奏する方々もいるが、ロータリー付のホルンは難しいかもしれない。


Reinhard Goebel (wiki)

He plays the violin left-handed (that is, reversed from the usual set-up) since some problems with his left hand meant he had to switch sides after he had already learnt the violin right-handed.


演奏会の後は、モミ君交えて四谷で親しい面々と会食。

 

2016年1月22日金曜日

 
 

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