羊の腸弦と山羊革のタイコ

 


富田牧子Vc./コスマス・カピッツァPerc.@代官山エナスタジオ


モダンとピリオド、2本のチェロを持ち替える富田牧子さんと、パーカッショニスト、コスマス・カピッツァさんの小さいコンサート。バッハの無伴奏1番をピリオドで弾きその6曲の曲の合間にモダンで現代曲を演奏する。こんな具合だ。


▶G.B.ヴィターリ「カプリッチョ」▶J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第1番「プレリュード」「アルマンド」▶G.クルターク「ジョンケージへのオマージュ〜ためらいがちな言葉」「ピリンスキー・ヤーノシュ ”ジェラール・ド・ネルヴァル”」

「信仰(は夢ではない・・・)」(『ペーテル・ボルネミサの言葉』より)▶J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第1番「クーラント」▶近藤浩平「源流への旅」▶J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第1番「サラバンド」▶G.クルターク「民謡風に」▶B.バルトーク「ブルガリアのリズム」(『ミクロコスモス』より)▶トラキア地方(ブルガリア)の踊り「ブチミス」▶J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第1番「メヌエットⅠ&Ⅱ」▶G.リゲティー無伴奏チェロソナタ「ディアローゴ」「カプリッチョ」▶J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第1番「ジーグ」


パーカス、カピッツァさんの楽器は西アフリカの木彫りドラムに、缶詰の鉄板を伸ばしたヒラヒラが3本、怪物の耳のように上向きに飛び出している奇妙な姿。だが、その得体の知れないタイコとチェロがうまい具合に混ざっている。手頃な会場のボリュームが演奏者と聴衆の親密感を深め、濃厚で複雑な出汁を味わっている気分になった。立ち飲みに寄ったら、実はフルコースの満漢全席の店だった。中華だけでなくフレンチ、イタリア、和食、東ヨーロッパの見知らぬ料理まで次から次へと出てきて「食べるってすばらしー」と云う感じかな。


富田さんが提案した、バッハにいろんな曲を挟むという「サンドイッチコンサート」のアイデアは、3月の「ときの忘れもの」でのコンサートでもいけそうだ。


帰りに寄ったトロワザムールでは、たこ焼きと赤ワインのマリアージュ。絶品。

 

2016年1月23日土曜日

 
 

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