宗教改革記念日
宗教改革記念日
街はハロウィーン。仮装した連中が溢れている。あれから70年、日本は名実共にアメリカになりました。おめでとうございます。
こちらに関係あるのは、同じ10月31日でも1517年の方。マルチン・ルターが「95箇条の論題」をヴィッテンベルク教会の扉に貼付けたその日。これを称して「宗教改革記念日」という。まもなく500年。宗教改革当時のヨーロッパは、カール5世が支配する神聖ローマ帝国とスペイン、東にスレイマン大帝のオスマントルコ、西にフランソワ1世/アンリ2世のフランスが入り乱れ、巨頭がぶつかり合う戦国時代の様相を呈していた。オスマン帝国絶頂期、あの建築家シナンが活動を始めた頃だ。スレイマン大帝は神聖ローマ帝国と仲が悪いフランスを通じて、ルター派に戦いの資金を提供したという。プロテスタントの教会改革に、ムスリムの国から資金援助があったとは。
ルターその人は音楽を愛し、多くの賛美歌を作詞作曲した。なかでも『神はわがやぐら』は宗教改革の戦いの賛美歌として広まっている。「やぐら」は戦争の砦のことだ。戦争はいつの時代も悲惨な筈だが、この時代の戦争は核の時代から振り返ってみれば優雅なものにも見える。
バッハはこれを編曲しカンタータにした。今宵、バッハのカンタータBWV80が本郷教会の「Soli Deo Gloria〜賛美と祈りの夕べ〜」で演奏される。
できれば演奏者として参加したかったが都合つかず、せめて聴衆として記念日を過ごしたい。
2015年10月31日土曜日