ARK NOVA 2015

 


ルツェルン音楽祭・ARK NOVA 3年目の公演地は福島市飯坂温泉。オープニングコンサートに行った。


■林英哲&英哲風雲の会


■清水和音(ピアノ)

シューマン:交響的練習曲 op.13


■ジャック・ズーン(フルート)、イズー・シュア(チェロ)、吉野直子 (ハープ)

J.S.バッハ:フルート・ソナタ ト短調 BWV1020

ラヴェル(サルツェード編):ソナチネ

J.S.バッハ:フルート・ソナタ ホ長調 BWV1035

グルック:オペラ《オルフェオとエウリディーチェ》より 精霊の踊り


テントだから音響がどーの、照明がこーの、雨音がどーの、風がこーの、どーのこーの、といったハード面のことが気になるのは、建築家の職業病みたいなものだ。だが、今回の演奏内容はそんな些末なことを忘れさせてくれた。演奏が良ければ会場がどんなウツワだろうが感動の振幅に関係無い、ということか。こういう仮設的な赤テントで息が詰まるような感動を味わうと、自治体が湯水のように税金を使って作り続けた立派なハコとしてのコンサートホールが色褪せて見えてしまう。


おそらく普段クラシックの音楽に親しんでいない地元の方々も生演奏の力に魅了されたことだろう。印象的だったのは、バッハのフルートソナタを聴きながら、楽章ごとに迷いなく大きな拍手をしていた聴衆が、最後の曲『精霊の踊り』の消え入るピアニッシモをフルートが吹き終えたその時、拍手も忘れてその沈黙に聴き入っていたことだ。演奏に圧倒されて身動きすらとれないでいた。


それにしても、グルメリポーターの彦摩呂がピアノを弾いている、と思ったら、それが清水和音だったとは。ビックリポンやで。

 

2015年10月27日火曜日

 
 

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