Timberize TOKYO 2020

 


「都市における木造建築の可能性」に関する展示。今回は、2020年の東京オリンピック施設を木造で計画するとどうなるか、という提案らしい。スパイラルでの展示を見に行った。


会場は、床にベニアを敷き詰め、木の模型を並べ、原寸大の木造スタジアムを部分的に仮設し、「木の建築」であることを演出している。展示模型の数々は丁寧に作られている。


計画の前提になっているのは、集成材、ベニア、LVL、OSBなどいわゆるエンジニアリングウッドと呼ばれるものを使うことで、これは木材を工場で接着/加工した加工材である。通常の木材に比べて割れやねじれ等が少なく安定していて、構造強度が計算/評価できるので、大規模な建築にも使われている。


さて、オトコはこのぐらいの歳になるとついに魅力が花開き、華麗シューなるものを身に纏うようになるらしい。ファブリーズが売れるわけだ。気をつけなきゃ、と思うにつれ匂いには敏感になるのである。だが、敏感になった鼻腔を全開にして会場を歩き回っても、木の香りがほとんど無い。会場に隣接するカフェから漂い出してくるタバコの煙がやけに気になる。


接着剤や樹脂で固めた材料を金属で固定した会場には木の匂いがほとんど無い。残念ながら魅力が半減しているように思う。香りを活かしたままで木を加工する技術が開発される日を待つのか、香りを活かしたいのなら加工せずそのまま使えるところに限定して使うのか。

 

2014年9月12日金曜日

 
 

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