Zaha Hadid_360°
Zaha Hadid_360°
4年程前だったか、東大門の球場跡地にザハ設計の文化施設の工事が始まっていた。衣料品の問屋街的な町の中心部に高層の商業施設をつくらず低層の文化施設と公園を計画し、広い空を残すことにしたソウル市の英断に喝采した。3年程前、最初に姿を現したのはコンクリートのうねる壁が地表を這うような部分で、これはもしかしたらザハ畢竟の名作になるのではないかと、勝手に期待が盛り上がった。
そろそろ竣工の時期だろうと思い訪ねてみると、数日後、3/21に開館するという。残念ながら内部を見ることは出来なかった。残念なのはそれだけではなく、金属の三次局面に覆われた建築の中心的な部分が、低層とはいえ、不自然なほどの圧迫感でのさばっていることだ。トランス脂肪酸摂取過多か。ザハは低層になっても減量とは無関係だった。東京・新国立競技場のザハもそのデザインやサイズについての議論が喧しいが、彼女のムッチリした局面デザインは、数字上の大きさよりもさらに大きく見えることになるだろう。
ソウル市は、ザハを採用した当時の現代建築普請好きな市長が辞任した後に現在の市長が就任すると、韓屋(ハンオク)など歴史的建築の保存・再生を目指す方向に180°豹変した。振り子が振れているだけなのかどうか。
2014年3月17日月曜日