テレマン

 


テレマンのカンタータ『門を広く開けよ』 (TVWV1:1074 )を演奏。この曲はアドヴェント第一日曜日のために書かれていて、今回は丁度その日の礼拝直後に演奏できた。


バッハのカンタータばかりを演奏していると、たまに他の作曲家の曲をやると違いがよく分かって面白い。かの時代には苦悩する難解なバッハより、楽しく明快なテレマンに人気があったことも理解できる。バッハとテレマンが親しい友人同士だったというのも興味深い。


wikiによればテレマンはクラシック音楽史上最多作の作曲家として知られていて、教会カンタータをなんと1700曲以上作曲したという。同じ教会で毎週日曜日違うカンタータを演奏したとして、約35年分の在庫が用意されていることになる。楽譜が失われたものや未発見の曲も含めると、彼が作曲した曲は全部で4000曲とも6000曲ともいわれているようだ。めまいがする。一生かかってもその全てを演奏することはおろか、全曲鑑賞も不可能に近いだろう。無限という概念が、曲という形式で我々の前に広がっている。


音楽をはじめ、文学も絵画も自然科学も、そして建築にも同じことが言えるだろうか。人間は無限の迷宮の中で、右往左往しながら呆然とするしかない。牛頭の化け物に食われてしまうのか、それとも詩編の作者達に励まされ、頭を上げて光の方向を見るのか。


門よ、こうべをあげよ。

とこしえの戸よ、あがれ。

栄光の王がはいられる。

栄光の王とはだれか。

強く勇ましい主、戦いに勇ましい主である。

(詩編24)

 

2014年12月1日月曜日

 
 

▶

◀