チェロソナタ

 


マリオ・ブルネロ(Vc)+アンドレア・ルケシーニ(Pf)のベートーヴェン・チェロソナタ全曲演奏会@紀尾井ホール。2日にわたる演奏会の1日目を聴いた。主役と伴奏という関係ではなく、ピアノとチェロが互いにがっぷり4つに組む大相撲だった。


前半は、深いチェロの音にまぶたが過剰反応し何度も意識不明に陥ったが、休憩を挟んだ後半は眠っている場合じゃなかった。後半1曲目は讃美歌にもなっている「ヘンデルの『ユダス・マカベウス』の主題による変奏曲」から。そして演奏者2人のずば抜けた運動神経/筋肉の躍動がビンビン感じられるチェロソナタ2番。世界には未だ知らない名曲が山とある。


ブルネロは1600年代に制作されたマッジーニというチェロを使っているようだ。まもなく400歳になろうとするこの長寿の楽器は、コンサートホールと言う形式がまだなかった頃、そしてベートーヴェンはもとよりバッハもまだ生まれていなかった頃、どこでどんな曲を奏でていたのだろう。これから生まれるであろう未知の名曲を待ちながら、いつまで歌を歌い続けるのだろう。


同じコンサートを聴きに来ていた学生時代の知人数人とも会え、楽しく食べて分かれた後は中央線の事故で帰宅難民。

 

2014年10月28日火曜日

 
 

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