超高層

 


結婚式の〆は都庁で宴会。最上階45階の展望台には構造の解説パネルが誇らしげに飾ってある。それを読んだ美女が「ラーメン構造って何?」と訊いてきた。「ラーメンってのは、ドイツ語の Rahmen=枠 って意味で、柱と梁で四角い枠をつくって構成する建築の構造形式の一つで云々、、」とか言ってもさっぱり通じてないだろうな。建築の事を言葉にするのは難しい。難しいからつい食事そっちのけでしゃべりすぎてしまう。もっと必死で食べるべきだったかもしれない。宴会終わって腹減った。地上で支那そばでも食うか。


あっちの超高層、こっちの超高層。慣れない超高層に一日中居たら、気のせいか翌日も何だか足元がフワフワしている。つい「高層ビル症候群」を疑いたくなる。曰く、

・子供の成長障害、運動能力の発育阻害が顕著

・常に船酔い状態

・高層ほど主婦の飲酒度合いが増加

・気圧の低下による寝覚めの悪化や偏頭痛

・地震時、窓からの転落確率増加

・噛みつく子供が増加

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など賑やか。ただ、平成4年/5年度の『厚生省心身障害研究』には逢坂文夫による高層ビル症候群を予測する論文が公表されていることを考えると、あながちデタラメとも言えない。地震時でなくても、超高層は風を受けてゆっくり大きくしなう。人には分からない程の揺れだが、足の小指などに無意識のうち力が入る。自律神経系や内分泌系が何らかの影響を受けるのは当然だろう。


http://www.aiiku.or.jp/~doc/houkoku/h04/h040204.pdf

http://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1994/h061004.pdf


日本では超高層や電磁波による人体への影響は「明確な因果関係は証明されていない」という伝家の宝刀で曖昧なまま問題を先送りする方法が一般的だ。皆様既に忘れているかもしれないけど、多くの公害病、原発の危険性についてもそうだった。言うまでもなく食品添加物も同じ。あ、今ニュースでは大阪アスベスト訴訟でオカミが謝罪しているところだ、、、日本は世界の人体実験場として耳目を集めていることは有名だが、そのことを知らないのは残念ながら無辜の日本人だけである。


高層マンションに住んでる知人は、なんとかシンドロームのことより、素晴らしい眺望、これが何ものにも代え難いと言う。一体誰に刷り込まれたのだろうか、この「素晴らしい眺望」。都心の高層ビルから眺める東京は、夜はまだしも、自然光に照らし出された昼間は哀れですらある。

 

2014年10月27日月曜日

 
 

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