結婚式
結婚式
一緒にバッハのカンタータを演奏しているトランぺッターとチェリスト、若い2人が本郷教会で結婚式を挙げた。
土曜@本郷教会。Soli Deo Gloria に新郎新婦も参加しBWV195(結婚カンタータ)を演奏した後、結婚式。翌日、日曜礼拝での宮崎牧師の説教は、アブラハムの息子・イサクの結婚。宮﨑牧師は創世記を月の最終日曜日に取り上げる連続講解説教を続けているので、わざわざ結婚の話を2人のために用意した訳ではないが、ドンピシャリの摂理としか言いようのない巡り合わせである。そう言えば先週はパウロの結婚観の箇所であった。神は時にかなって美しいことをなさる。
リベカを呼んで、「お前はこの人と一緒に行きますか」と尋ねた。「はい、参ります」と彼女は答えた。 (創世記 24:58)
妻よ、あなたは夫を救えるかどうか、どうして分かるのか。夫よ、あなたは妻を救えるかどうか、どうして分かるのか。 (コリントⅠ 7:16)
日曜午後@新宿。披露宴での淡野弓子さんの乾杯の挨拶。「・・・ドミソの和音は、誰かが人為的につくったものではなく、人類誕生の遥か以前から、神が用意された天然の法則『倍音』によって鳴り響いている。この2人の組合せは、基音を出す役割のチェロに、遥か上方で神の如く倍音を鳴らすトランペットが一体化した、奇跡のような結婚である・・・乾杯!」
杯を掲げながら今年の世界文化賞受賞を機につくられたテレビ番組での、作曲家アルヴォ・ペルトのインタビューを思い出した。「私には先生がいる。その先生にも先生がいる。ずっと遡ると、そこには神の言葉があった。」そう云いながら弾いたピアノの、極めて単純と思える和音を聴き、感じたことのないような震えが来た。ペルトは倍音の錬金術師だ。淡野さんはペルトのことを預言者という。
日本のみならず、おそらく世界でも「神」のことを口にしたとたんにオカルト扱いされ「ヤバい人じゃないの?」的な見方をされることが多いのではないだろうか。その逆風の中で、意識の澄んだ数少ない音楽家が、音楽を通して神の輪郭を探る困難な仕事を続けている。
音楽を通じて結ばれた新しい夫婦は、それぞれ自然科学、美術というフィールドで活躍している。神のくすしき御業を感知するのに相応しい場であろう。
2014年10月26日日曜日