アートがあれば

 


『アートがあれば Ⅱ』@東京オペラシティーアートギャラリー


個人コレクター9人がそれぞれ集めた現代アートを、9つのコーナーにそれぞれ開張している情け容赦のない展示。見ているこちらが恥ずかしくなる。自分の内蔵を人前で曝け出しているかのような、自宅の書棚を人に披露しているような。9人のうち1人だけイニシャルさえも公開せず、ギャラリー側が用意した質問(最初に買った作品は?など)にも完全無回答を貫いた方がいらっしゃった。気持ちは分かる。


かつて、食べているものからその人がどんな人物であるか当てると言った御仁もいらしたが、美術品のコレクションは食べ物と比べてもさらに鮮やかにコレクターの人物像を浮かび上がらせるのだな。


ゴッホやセザンヌ、シャガールやピカソ、名のある巨匠作品の購入は蓄財と関わっている場合が多いのに対し、無名に近い現存作家のアートコレクションはほとんどが金の無駄遣い、散財だ。だが、散財する「もの好き」無くしてアート無し、文化無し、である。応援したくなるような無駄遣いっぷりを見てみたい。

 

2013年9月13日金曜日

 
 

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