ハーメルン

 


予定していた相手が蜂に刺され打ち合わせ延期。こういうこともあるのだな。刺された方には申し訳ないが、タイミングがちょうどいい。坪川拓史監督の『ハーメルン』を見た。


前作『アリア』で水平に対する執着を見せてくれた監督が、今回は垂直に拘っているようだ。


葉をつけ数ヶ月後には黄色くなった葉を散らす儚い銀杏を通してさえ、あるいは、造られ使われて数十年後には解体されてしまう木造校舎を通してさえ、さらにあるいは、生まれ老いそして死ぬ短い人生を通してさえ、坪川監督は背後にある永遠を俯瞰することが出来るようだ。311を挟み、果てなく続くかと思われる構想+撮影期間を通じ伴走していた井桁さん制作の人形が、無言の語り部となって無限の物語を映画の形式に束ねている。


ブラボー!


冒頭いきなり登場するツトム・タニヤンの姿に思わず声を上げそうになり、最後にはエンドロールにボクの名前まで出ているのを見て、濡れた眼球が飛び出しそうになった。

 

2013年9月14日土曜日

 
 

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