東京オリンピック

 


東京がオリンピック開催権を獲得したのは3回目だ。前回、2回目には1964年にオリンピックが開催された。1940年に1回目の開催権を獲得していたことを知ってる人は少ないかもしれない。


「第12回オリンピック競技大会」は、非欧米圏における初めてのオリンピックとして、1936年のIOC委員会で会場が東京に決定した。国際連盟を離脱し、二二六事件の起こった日本が開催権を獲得したとは驚きである。同じ年ヒトラーの第11回オリンピックがベルリンで開かれている。日本国内では駒沢のスポーツ施設など計画も進んでいたが、1937年の盧溝橋事件を契機に中国との戦争に突入し、翌38年開催権を返上することになる。代替地がヘルシンキに決まるも、1939年の第2次大戦勃発によってオリンピックそのものが中止になってしまった。ナチスドイツがポーランドに侵攻したのだ。


目標を失ったオリンピック招致運動の熱狂は、良くあることだが、地滑り的に矛先を変えて、八紘一宇の夢に合流、気づいた時にはいくさのまっただ中だ。


1923 関東大震災

1925 治安維持法

1927 金融恐慌

1929 世界恐慌

1931 満州事変

1932 ロサンゼルスオリンピック

1933 国際連盟離脱

1936 二二六事件

1936 東京オリンピック開催権獲得

1936 ベルリンオリンピック

1937 盧溝橋事件〜日中戦争

1938 国家総動員法

1938 オリンピック開催権返上

1940 日独伊三国同盟

1940 大政翼賛会

1941 真珠湾攻撃


歴史は時を隔てて相似形で動く。「非国民」という言葉が跋扈し始めるのは盧溝橋事件後のことである。2013年は、東京がオリンピック招致に成功した年としてだけではなく、レイシスト異常繁殖および秘密保全法の年として記録されるだろう。

 

2013年9月10日火曜日

 
 

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