ベルイマン
ベルイマン
ベルイマンの『処女の泉』が印象的だったので、ユーロスペースで同時に上映されている『第七の封印』と『野いちご』も見ることにした。
『第七の封印』
死神相手に、命を賭けたチェスの勝負をする十字軍帰りの騎士。ペストが蔓延し、終末感に支配される中世ヨーロッパが舞台。『千と千尋、、、』の「顔無し」を思わせる姿で登場する死神の行動は、ほとんどユーモラスなまでに人間臭い。
『野いちご』
名誉博士号授与式のために、息子の嫁と車で旅する老医師イサクの一日。現実に進行している時間、追憶の叙情的なシーン、シュールレアルな夢が交互に編まれて面白い。今、3本のうち最も好きな作品を挙げるとすれば、これかな。他の2作品と比べると、宗教や信仰の扱い方が比較的薄味だと感じたからかもしれない。
映画館を出ようとするとゲリラ豪雨。しばらくハッピーアワーで雨宿り。
「経験したこともないような」自然の驚異が頻繁に起こると、ノアやソドムも現実味を帯びる。加えて核の制御不能が進行中の黙示録的状況である。ペストの中世と何が違うというのだろう。振り向くと、白い顔の死神が見えるのではないか。ボクが死神と勝負する時は、どんなゲームになるのだろうか。チェスだと即死だ。将棋や囲碁も良く知らないし、麻雀だと3人を相手にしなきゃいけないから大変そうだ。ベルイマンは映画という武器を手にして(死)神相手にもがいていたのだろうか。などと雷鳴轟く空をぼんやり見上げてるうちに、30分程で雨上がる。
家に着くと、自宅周辺に落ちた雷の影響か、HDDレコーダーが作動しなくなっている。小人はその程度のことでオタオタしてしまう。
2013年8月12日月曜日