小平
小平
たぶん初めて降りる小平駅。小さな駅前は都営霊園の参道に直結していて、石材屋、花屋、法要会食の料理屋などが軒を連ね「お墓の街」といった風情が漂っている。死者が生者の日常を支えている。
小平霊園は昨年新たに「樹林型合葬埋蔵施設」(写真上)を作り、人気らしい。パンフレットには「樹林墓地は、死後は安らかに自然に還りたい、という多くの都民の皆様のご要望にお応えする新たな墓地で、平成24年3月に完成しました。落葉樹林の下に共同埋葬施設を設け、直接土に触れる形で遺骨を埋蔵します。」とある。一般墓地と違って、一回限りの使用料134,000円を支払えばあとは無料、遺骨を紛状にした場合は44,000円となる。
小平霊園はこの樹林墓地ができる前、平成10年に「合葬埋蔵施設」(写真下)を導入、一つのお墓に多くの遺骨を一緒に埋蔵する方式を始めている。芝生で仕上げられた直径20メートル程の浅い円形ドームが2つ並んで、それぞれの前に献花台がある。ドームの地下は2層になっていて、地下1階には桐箱に入った骨壺を安置する棚、地下2階には安置経過20年後に遺骨を骨壺から出し共同埋蔵するためのスペースが用意されている。地下に入れるのは職員のみ。こちらの使用料は95,000円、20年の安置期間を省略して直接共同埋蔵する場合は61,000円。ちなみに一般的な埋蔵施設(いわゆる普通のお墓)の場合、使用料が数百万円、さらに墓石代や施工費、毎年の管理料が必要になる。
霊園は、空が広く緑豊かで鳥の声が響き、理想的な散歩コースだ。実際、明らかに墓参りじゃないでしょ、といった風情の人たちも多く、そこかしこのベンチで読書や昼寝をしていたりして実にのどかである。
2013年6月17日月曜日