ゴミ問題

 


武蔵野市民でもないのに、いつも入館料100円でお世話になってます。その武蔵野市立吉祥寺美術館が良寛の書をたくさん持っている。古本屋で10年前の開館記念展のカタログを目にしたら、良寛さんがずいぶんたくさんあるでないの。吉祥寺に行ったついでに美術館に寄って名を名乗り「良寛見てみたいんですけど」と館長に直談判してみた。


館長笑顔で曰く「ご存知のようにここはデパートですので、収蔵庫が併設されていません。別の場所を借りて収蔵しているんですが、そこは別の組織が管理しているので自由に出入りできないんです。展覧会のリクエストは膨大な数に上り、いつご希望の展覧会が開催出来るのかなかなか決められないのでございます。」まるで予想通りのご返答でちっとも面白くない。


こうして日本全国の美術館収蔵庫に眠る作品たちは、良いものもそうでないものも、まとめてゴミと化してゆくのだろう。そもそも、最初からゴミのようなものを美術館に寄贈する身の程知らずの輩もいて、自治体としては捨てる訳にも行かないから、全国の公立美術館はゴミを納めるための収蔵庫を納税者の方々の血税を使って増設しているのが実情である。


階下の玩具売り場で、それこそゴミみたいな樹脂のおもちゃ販売をやめて、良寛コーナーを常設にしてくれればと思うのだが、武蔵野市民でもないからなあ。


帰途、春の嵐で桜が散って、ようやく井の頭公園からもゴミ=ブルーシートが無くなるかと思いきや「新入生歓迎新緑の宴」が真っ盛りだ。

 

2013年4月10日水曜日

 
 

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