屠殺場

 


上海事務所の吉野さんに同行してもらい、元・屠殺場(現・19参Ⅲ 老場坊 イベントスペース/商業施設/オフィス)を見に行く。


1933年竣工、設計者はBalfoursというイギリス人のようだが、詳細は不明。立ち読みしたWallpaperの上海ガイドに載っていた気もする。全く気にしていなかったのだけど、近代以降の中国の建築で、実際に見て一番印象深かった。おおっ!と声を出そうとしても、「ドナドナ」を歌おうとしても、昨日から声が出ない。


牛や豚を殺して食肉にするための冷徹で完全な機能が要求される建物で、これほど緻密で気高い造形を実現しているとは、心底驚いた。


http://www.1933shanghai.com/


チッパーフィールドが改装したギャラリーを見た後吉野さんと別れ、師匠・磯崎新のヒマラヤホテルを視察。工事中ではあるものの、部分的にはオープンしていて、その気になれば工事中の場所を含め、あらゆるところに入って行ける。警備、とかいう概念は無いんですね。建築は、太りすぎた小錦の脚みたいな造形が「現代建築」の語彙に挟まれている。巨匠の「美醜の彼岸」とでも言うべき境地が滲み出ている。

 

2013年3月1日金曜日

 
 

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