PM2.5ふたたび

 


朝起きて、いまだに喉が痛いので病院に行くことにした。生年月日がボクと全く同じ医者のクリニック。


「どうされました?」

「北京に行きました」


簡単に状況説明出来るので話が早い。聴診器を当てても胸の音には異常無いらしいが、扁桃腺、気管支に炎症があるという所見。対処用の薬、外用・内服合わせて9種類を処方してくれた。室内でマスクを外していたのが甘かったのかな。


中国の大気状況は、半世紀前の四日市のそれに近いと思う。四日市の場合は、1967年に被害住民が6社(石原産業、中部電力、昭和四日市石油、三菱油化、三菱化成工業、三菱モンサント化成)を津地裁に提訴し、共同不法行為を認めさせて勝った(控訴無し)ため、その後の環境政策、環境技術に大きな影響を与えている。市民の意識向上のきっかけにもなっただろう。


万里の長城は築いたけれど、海上の国境線に壁が立っているわけでもない。いろんなものが風に乗りこちらに向かって自由に飛来する。日本が出来ることは壁をたてることではなく、中国の人たちとともに汚染の発生源を出来るだけ無くすための協力をすることだろう。日本には四日市の経験によって蓄積された技術や情報がある筈だ。


大気の状態が回復するまでは、寝る時も食べる時も強力なマスクをしてあとは薬による対処、ということしかないのだろうか。裁判に訴えたとしても現体制下ではその結果を期待出来るのか。311までは原発推進というのが切り札だったはずだが今はどうか。


北京の家電量販店の店頭には、いろんな種類の空気清浄機が並んでいる。石炭でモクモク発電し、その電気で空気清浄機を動かすってことが、人民が今採れる手近で可能な対処なのかもしれない。

 

2013年3月5日火曜日

 
 

▶

▶

◀