ミケランジェロ
ミケランジェロ
国立西洋美術館@上野。ルネサンスの巨匠は今年に入ってラファエロ、ダヴィンチと立て続けに来日し、今回が3人目のミケランジェロ。
前2者とはまるで印象の違う、何ともたくましく男臭い絵だ。盛り上がる筋肉の躍動感が凄い。4Kの高精細画像でシスティナ礼拝堂を撮った美しいビデオを見てみると、天井画・壁画の裸体群はほとんど全てが男のごつい体のように見える。女性を描いたものもあるが男同様のマッチョぶりで、後から取って付けたような乳房も筋肉の一種のようだ。『最後の審判』でイエスの脇に座る着衣のマリアだけが女性的な佇まいを見せている。二の腕は凄いけど。システィナ礼拝堂に行ったことがないのが悔やまれる。87歳の作と言われている木彫の磔刑像(写真)には触れてみたくなった。
ミケランジェロのチケットで入場できる「コルビュジエ展」へ。上昇しながら外側に向けて螺旋形に延伸する動線の順路に従って進むと、平面図を知っている我々には建築家の構想が暑苦しい程迫ってくるが、実際は至る所に「脇道」や「盲腸」みたいな場所が設けられていて、単純な螺旋だけではない迷路性を楽しめる。手摺が片側にしかついていない魅力的な細い階段が順路からシャットアウトされていて昇れなくなっているのがいつもながら残念だ。アイリーン・グレイのE1027にコルビュジエが無断で描いたとされる壁画の下絵と思しきスケッチが興味深い。
同じチケットで「イタリア版画展」「スペイン・アンフォルメル展」まで全て見てしまう。おまけだと思って油断していたら、スペイン、流石だ。タピエスやゲレーロに興奮。初めて見るエステバン・ビセンテの油絵も好印象。
4種盛り合わせのお得な展覧会でお腹いっぱい。
2013年10月31日木曜日