アンパンマン

 


10月13日、やなせたかしが亡くなっていた。94歳。こんな時、面識もない著名人には「さん」を付けなくても構わないと思われるが、敬称略は何故だか少し抵抗がある。やなせたかしさん、としてみたらどうだろう。ぜんぶひらがななのにそのうえにまたひらがなでさんをつけたらわかりにくいかな?それでも「さん」を付けたくなる理由を考えてみた。


漫画でもアニメでもアンパンマンを積極的に見る事はなかったが、おおまかな内容は何となく知っていた。体を削って人に与え、自らは新しい体に復活する。これは聖餐そのものではないか。キリストの受難と復活を下敷きに、しかし宗教色をまるで感じさせず、このアンパンマンシリーズを描いていたのではなかろうか。


一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えながら言われた。「取って食べなさい。これはわたしの体である。」(マタイ26:26)


アンパンマン発表直後は編集部や批評家、幼稚園の先生などから酷評されたが、子供たちがこの世界一弱いヒーローを最初に受け入れたと言う。このことも次の聖書箇所を連想させる。


イエスに触れていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った。しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」(マルコ10:14-15)


やなせたかしさんと呼ぶのが相応しい気がする。

 

2013年10月17日木曜日

 
 

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