スマートフォン

 


表面が真っ平らなスマートフォンは、盲人に使われることを想定していないと勝手に思い込んでいたら、先日電車に乗り合わせた白い杖の方が、iPhoneを、あの手つきで操作しているのを目撃した。ついじっと観察してしまう。指の表面が常人の想像を絶する発達をした挙句に、スマホの平らな表面からも指先で画像が認識出来るようになったのか、などと思ったら、イヤホンを耳にさしていらっしゃる。音声案内を聞きながら滑らかに操作していると思われる。


他の機種ではどうなっているのだろうか。他の機種はもちろんのこと、建築や都市のアクセシビリティはどうか。アクセシビリティーなぞという舌を噛みそうな気持ちの悪いカタカナは、ちゃんとした日本語になってないところからも、この概念が少なくとも日本ではさほど認知されてないことを露呈している。


スマホってのも気持ち悪いけど。


最近何度か中国に行って感じた印象の一つは「街に老人がいない」だ。特に都心部で老人に会うことは稀である。道を横断しようにも道幅は黄河のように果てしなく広く、車は破竹の勢いで交差点に突っ込んでくる。地下鉄や路線バス乗降の混乱に巻き込まれたらタダではすまないだろう。先人に倣い「先んずれば人を制す」というのだろうか。

 

2012年3月24日土曜日

 
 

▶

▶

◀