ワセオケの311
ワセオケの311
現在ヨーロッパ演奏旅行中のワセオケは、311にベルリンのフィルハーモニーザールでコンサート。ベルリンフィルのネットを通じライブで見ることが出来た。
ワセオケは、ボクが在籍していた時に、当時の演奏旅行用にデザインしたロゴマークをいまだに使ってくれていて、客席の皆さんがそのマークを表紙に刷ったプログラムを読む姿が映っている。下宿でケント紙にラーメンドンブリを伏せて描いたマークだ。感慨深い。
四半世紀前、僕らの演奏旅行は1986年の2月〜3月にかけての1ヶ月半、フランス、東西ドイツ、チェコ、オーストリアをまわる大公演だった。建築学科3年、ケツの青い学生だったボクは、初めて見るヨーロッパの都市や建築に打ちのめされた。特に、演奏会場になったコンサートホールは街の顔とも言える建築が多く、すぐれた(あるいはそうでもない)ホールを、楽屋や搬入口も含め表から裏からじっくり観察する良い機会になった。ボクの現在にも、その体験はじわじわ影響している筈だ。
モニターに映る映像を見ても、これがライブの演奏会だとはにわかに信じ難い。かつての自分を重ね合わせたりして。でも連中は子供の世代である。バブル世代と呼ばれた僕らの時代と社会情勢はずいぶんと変化している。このステージに出ている3、4年生の進路について、親心らしき気持ちからだろうか、心配になる。でも我々の世代同様、彼らは代替不能、唯一無二の体験をしている。
良い演奏だったのだろう。食卓囲み食べながら、話しながらの視聴では、演奏の評価などしようもないが、画面を見ると総立ちで拍手鳴り止まず、である。311鎮魂のアンコールは「荒城の月」。涙腺が緩む。
2012年3月11日日曜日