骨董
骨董
友人の写真展を覗いた勢いでギャラリー巡り。
現代美術ってやつは、どうでもいいギャラリーにどうでもいいものが溢れている。巡回の最後に、最近移転した六本木のロンドンギャラリーに初めて寄って、骨董で目の保養。現代美術家・杉本博司の内装の中で、小さな酒器が鎮座ましましている。
物欲しそうな目でじとーっと眺めていると「どうぞ手に取ってご覧ください」きちんとスーツを着たドイツ系アメリカ人のギャラリストが達者な日本語で近づいてくる。
焼いた器は、目で見る時と実際に手にした時の重さの感覚、触感覚が若干ずれていて、手に持ってその感覚をチューニングする瞬間が面白い。いくつか見たものの中で気に入ったのは初期李朝のものと高麗のもの。特に高麗青磁は骨董とは思えないポップな造型で、久し振りに物欲がムクムク頭をもたげるも、既に赤丸シール。じゃあ李朝のはどうなんだい、老眼のピントを無理矢理合わせ小さい数字を解読すると0の数が3つぐらい多いんじゃない?失礼致しました。見せ方ちゃんとすれば、それなりの価格になるということだ。それなりの価格のものは、見せ方をちゃんとしないといけない、とも言う。
内装は、主張の強い光学ガラスを使った、現代美術家デザインの家具さえなければもっといいんじゃないか。
2012年2月6日月曜日