成都
成都
四川省成都。朝7時前起床。外はまだ真夜中の闇だ。中国は全国で同じ時間帯を採用しているので国内では(公式には)時差が無い。ハルピンもカシュガルも、そして成都も同じ北京時間朝7時なのである。暗い朝、ヘッドライトを点けて出勤する車の列をホテルの窓から眺めながら、この巨大な国土が同じ時間に支配されているのを体感する。ペキンから離れるにしたがい、正午の太陽が南中しないまま低く、都市計画の南北軸すら真北から大きくずれる「概念的南北」になっている。13億を束ねるとは、こういうことなのか。
徐々に明るくなってきた。地元の人が言うには、この季節には珍しい晴天らしい。
成都の大気中、花山椒の実の微細粉末成分は飽和量に達していて、どこを歩いても山椒の香りに満ち満ちている。その上、食事の時に骨付きの肉などを手づかみで食べようものなら、以後数日は自分の手の香りだけでドンブリ1杯いけるほどだ。そして前日の凶暴悶絶麻辣地獄四川料理は、朝になると2度目が楽しめる。
10時からプレゼンテーションに向かう。成都の方々は、老若男女皆さん揃って立派な大きいオデコをお持ちだ。人々の顔貌を観察すると、都市ごとにその地域の身体的特徴が今も保持されているのが興味深い。
2012年12月5日水曜日