アドヴェント
アドヴェント
1998年4月18日を第1回として始まった本郷教会のコンサートシリーズ「Soli Deo Gloria —ただ神にのみ栄光—」は副題を「讃美と祈りの夕べ」として、主に土曜の夕方6時からの演奏会として継続中である。第284回目となる今回は、初めて日曜の礼拝直後、真っ昼間にやってみようということになった。「讃美と祈りの夕べ」ならぬ「讃美と祈りの集い」に一部名称変更。
教会暦では、アドヴェント第一主日と呼ばれる日曜日、今年は12月2日が新年である。また、クリスマスまでの4週間をアドヴェント(待降節)とし、イエスの誕生を祝うために備える時としている。礼拝に於いても、イエス誕生前後のエピソードをテーマに4週連続で説教する場合が多い。今年、宮﨑牧師は、アドヴェントに向け「ルカによる福音書」をテキストとして選ばれた。福音史家ルカはイエスの母マリアが、洗礼者ヨハネの母エリサベトを訪問する場面を記している。
マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。(ルカ1:41)
胎内で踊ったのは洗礼者ヨハネ。ルカによる福音書そのものの筆致も、音楽を喚起するような書き方だ。バッハのカンタータ第147番は、マリアのエリサベト訪問の祝日のために書かれている。
演奏者としては、当日本番前にステージで練習すること無く、ブッツケで音を出すというのは恐ろしいことではあるが、その問題を超え、バッハのカンタータがあるべき場所と時を与えられ、本来演奏されていた日曜日に、礼拝出席者とともに讃美の音に浴することができたのは、実に感慨深いものがある。新しい年の画期に相応しい第一歩であった。
2012年12月3日月曜日