北京7

 


晴れ。寒さも少し緩んだようだ。今日は移動日だが少し時間に余裕があるので、まだ見ていなかった円明園に行く。


総面積350ヘクタールとも400ヘクタールとも言われる。とにかく広大な庭園で(修学院離宮の6倍以上)未公開部分も多く、時間的には全てを見る訳にもいかない。宣教師/画家のカスティリオーニが設計に関わった西洋庭園・長春園の廃墟だけは見たかったので、入園して真一文字に向かったが、そこは地下鉄出口に近い南口からいちばん離れた北側に位置するため、池や並木の景色を楽しみながらの早歩きになった。


黄色いイチョウと風になびく柳、池の水面に浮かぶ枯れた蓮など、建築は破壊されても植物は美しい。破壊の衝動は自然に向かうのではなく、人工的な建築に向かうのだろうとは思うが、これらの植物が、破壊の後再び植えられたものかどうかは知らない。


レンガ積石造建築の化粧として白い大理石が仕上げに使われていた様子が、破壊された廃墟を見ると分かる。ハイブリッドだ。木造部分は完全に燃やし尽くされたのだろう跡形も無い。廃墟化した大理石の瓦礫は石庭の石組みに見えたりもする。


昼過ぎに宿に戻りチェックアウト。馴染みになった近くの食堂で餃子を食べてから空港に向かう。再見。

 

2012年11月7日水曜日

 
 

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