北京6
北京6
内装業者と打合せ。経験のある国営企業で一通りのことは分かっているようだ。だが、思いもよらない作り方をしていることが良くあるので細かいことまで確認する必要がある。例えば、一見ステンレスのフラットバーを使っているように見えるガラス・パーティションの枠などは、中国では木製の枠の上にステンレス薄板を加工したカバーを被せるのが一般的だと云う。適当に木枠に嵌め込んで、ヤバそうなところは覆い隠す。どうしてそういうことになるのか考えてみたが、シーリング施工が大概うまくいかないので、その危険を回避したいのではないかと思い至った。
中国で綺麗に施工されたシールにはなかなかお目にかかれない。識者に訊いてみると、熟練のシール工が不足していて、初心者が勘で施工しているケースが多いらしい。養生せず、ナイフ等の道具も使わず指の先でシールを隙間に埋め込んでいく。あ〜あ、綺麗に出来る訳が無い。周囲も汚れ放題。油類がぶちまけられているのと同じだ。掃除しても汚れは染込んでいる。竣工直後の石貼床が汚いことが良くあるのは、単に養生していないからだ。こんな単純なことでも、訓練は大事なのだ。
夜、ファーロン合流。彼は今日で50歳。記念すべき誕生日を魯迅の愛した紹興料理の店で祝う。匂いの強烈な食べ物に関しては、すでに「世界一」のシュールストレミングをやっつけているので、匂いだけが取り柄の食べ物には最早興味が無い。だが、臭豆腐は美味い。紹興酒とのマリアージュも無敵、ビール&餃子の組み合わせと双璧だ。
2012年11月6日火曜日