北京5
北京5
快晴。寒い。
今回のホテル、シャワーは快適そのもの、ナイヤガラのように大サービスしてくれているのと対照的に、ネットは目薬並にしか流れない。18大(第18回中国共産党全国代表大会)の直前で全てのアクセスが検閲を受けているからだという説もある。ホテルのTVチャンネルも前回泊まった時と違って、日本も含め海外のチャンネルが一つも見られなくなっている。ようやくネットで繋がった日本のニュースを見ると日本人観光客が万里の長城で遭難、死亡したというニュース。週末は嵐のような天気だった。
昼、ホテル近くの食堂で餃子を食べていると、店の中で店員同士(おそらく夫婦)の大げんかが始まる。殴る蹴るは無いものの、その寸前とも思える怒鳴り合いだ。中華包丁は使わないでね。
どの都市に行っても、時間のある時は動物園に行くのが楽しい。大概豊かな自然環境の中に設けられている施設だし、子供の頃、母に連れられて生まれて初めて動物園に行った時の鮮烈な記憶がそうさせるのかも知れない。中国ではこれまで動物園に行く時間の余裕が無かった。今回初めて北京動物園でパンダと対面した。観光客はあたり構わずストロボを光らせながら写真を撮りまくっている。何億人もそんな連中が押し寄せてきていたからだろう、ガラスの向こうのパンダは、どいつもこいつも全員こっちに尻を向けたまま、笹の葉っぱをムシャムシャ食べている。こちらを向こうともしない。パンダ6匹と骨格標本まで確認して、あとは閉園時間直前の園を駆け足で廻る。オオカミが地面を一生懸命掘っているのが面白い。
それにしてもこの動物園、敷地の中を高架の道路が横切り、猿山やオオカミの檻がその下の空間に押し込まれたような格好になっているのは哀れだった。
鋭く対照的に園内いたるところ、檻の外に猫、猫、猫、、、。自由に歩き回る姿は美しい。
夜、ファーロンを交え、Naと3人で新疆料理の店へ行く。羊の肉とベリーダンス。ウイグル族の中には、彫りの深い顔立ちに金髪碧眼、漢民族とは容姿の違う人たちが少なくない。中国は広い。国を支配するために時間を支配するのが、王朝期中国の基本政策の一つだった。元代に鼓楼をつくり、明代に鐘楼を建て、現代は北京時間(UTC+8)を唯一の国内標準時とする。だが、さすがに新疆地域まで鐘や太鼓の音は届かない。公的には中国国内に時差は無いことになってはいるものの、ウイグルの人たちは非公式に2時間遅れの新疆時間を使っているようだ。
今日は1万4千歩ぐらい。
2012年11月5日月曜日