女郎蜘蛛
女郎蜘蛛
秋。晴天が続くと歩く時間が長くなる。玉川上水の緑道で、車を見ることも無くゆっくり寄り道をしながら季節の変化を観察しつつ歩くのがここのところ秘かな楽しみになっている。
最近目につくのは巨大な女郎蜘蛛の巣だ。黄色と黒で着飾った堂々たるメスが必ず巣の中央に陣取っている。何かの拍子に巣が壊れたりすると全体をつくり直すことはせずに、壊れた部分だけ後から補修しているからだろう、巣によって形も大きさもまちまちだ。異なる形状の中央部に、同じような姿の女郎蜘蛛がスタンプのように鎮座している。その全体像が草間彌生の作品群を連想させる。
網を見ると5〜6本おきに少し間隔が広いところが規則正しく並んでいて、音楽のスコアのようにも見える。彼女はどんな歌を歌うのだろうか。
女郎蜘蛛は冬の間冬眠するのかと思っていたら、越冬は卵の状態でするらしく成虫の寿命は春〜初冬、1年も無いことを知った。秋は女郎蜘蛛にとって産卵と死を控えた生涯のクライマックスなのだ。出来るだけ良く見ておこう。
2012年10月25日木曜日