比例

 


土曜のSDGが終わった後はいつものバルタザール。人体寸法・比例関係、姿勢が発声に及ぼす影響について、本番前に興味ある指摘を太郎さんからもらったその日であるから、思考はその延長線上を漂っていた。


我々が「人体寸法」で真っ先に想起するのは、コルビュジエのモデュロール1948である。これは音楽家でもあるクセナキスとの恊働によって理論構築された(に違いない)。そのときの手がかりは人体寸法のプロポーションは音の周波数間の比例と密接に関係しているとのクセナキスの確信に基づいている(という気がする)。


クセナキスはその後も、音楽の時間と、建築の空間を同一理論で組み立てようとしていた。音楽においてはモデュロールの比例関係を大々的に応用したMetastasis1953-54を発表し、建築ではコルビュジエと連名で(実はほとんど自分で)ブリュッセル万博のフィリップス館1956を設計している。


「同一理論」は、人体も音も空間も貫く自然の摂理に基づいた必然なのだ、とクセナキス先生は確信していた。名誉欲、自己顕示欲が(他の建築家同様)強いコルビュジェのもとで、理論的に遥かな高みを飛翔していたのは、実は誰あろう音楽家=建築家のクセナキスその人だったのですぞ、美味しい豆腐の味噌漬けなどちびちびやりながら話していると、淡野弓子さん一言、「ダ・ヴィンチのあの絵、勉強したいのよね」ですと。あぁ、それっ!豪速球ストライクど真ん中であります。


「ヴィトルヴィウス的人体」


大きな話にいきなり突入。


つづく。

 

2012年1月30日月曜日

 
 

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