北京の日本人建築家
北京の日本人建築家
前回北京に来た時には古い建物ばかりを回り、意識的に現代建築を遠ざけた。今回は、新しいものばかりを集中的に見る。日本人建築家が設計したものも多い。
建外SOHO 白く均質な箱の反復は、施工精度の高さときめ細やかなメンテナンス、材料の質の高さが空間の豊かさを支える。ここは残念ながらそうなってない。薄ら寒い栄養失調系建築の典型と見える。特に冬、ここで働けといわれたら、かなりきつい。(写真)
三里屯VILLAGE/三里屯SOHO 設計者は、建外SOHOを見てから、対比的にこの計画をしたに違いない。つまり正方形を不整形にし、白を色付きにする。UNIQLO、APPLE、adidas、NIKEなど、商業施設は中に入るテナントによって集客力が大きく左右されるのも事実だが、集客力のある企業が自らに相応しい場所を選ぶ目を持っていることも確かだろう。同じ日に見て回ったが、一方は閑散とし、一方はにぎわっている。こちらの設計者、資本主義の申し子としての面目躍如といったところか。
中央美術学院美術館(磯崎新)アトリエで設計しているのを横目で見ていた時には、かなり大きな美術館に見えたが、実際に北京の街中に訪ねてみると、こじんまりと景色に馴染んでいる。街のスケールはその場に行かないと分からないものだ。スペイン産のスレートは、ここでは近寄りさえしなければうまく納まっているように見える。汚れてもきたなく見えないのがいい。(写真の左側。右側は既存の美術学校校舎)
2012年1月26日木曜日