年始の記録2

 


4日 ポーラ美術館 昨年、藤田嗣治の絵を大量入手したこの美術館が、所蔵全藤田作品170点あまりを展示していた。子供の顔が醜い。その他のコレクションの中で好きなのはルドン「イカロス」など。建築は大規模な土工事の、困難な作業だったろう。


5日 快晴。芦ノ湖周辺をドライブ。箱根峠~芦ノ湖スカイライン~箱根スカイライン~御殿場。このコース久し振りだ。左手に富士、右手に芦ノ湖、和の絶景ここに極まれりである。箱根から富士を遠望すると、道路以外人間の作ったものがないことが絶景の条件とも思える。景観維持のため建築に携わる我々は何をすべきか。何が可能か。


6日 年始の挨拶はがき投函。日本では「喪」が郵便について独特の作法を生んでいる。耶蘇の我が家は死を穢れとしない、つまり「喪中」の習慣がないので、父が亡くなったといっても賀状を気にすることも無い。とはいえ、普段賀状の交換をしてくださっている方々のうち、父の死をご存知の方の中には年賀状を控えてくださったり気を使ってくださる場合もある。対応して我が家でも、恒例裕希画の賀状ではなく、普通の官製はがきに近況報告の挨拶文だけ書いたものを用意した。


7日 七草粥の代わりに「七つの夜」再読。ボルヘス万歳。なかでも仏教についての深い洞察には畏れすら感じる。年末年始に眠っていた体中の細胞が活性化する感じだ。ようやく今年のエンジンを始動させる。正月7日にボルヘスを読むこと、来年以降も続けてみよう。

 

2012年1月10日火曜日

 
 

▶

▶

◀