冷麺
冷麺
「冷麺の男」GMLが絶賛するCJ社製の冷麺を探して新大久保を彷徨う。
初めて韓国で冷麺を食べたときの感動が忘れられない。ステンレスの素っ気ない器に、みぞれ状に凍ったスープが張られ、その中に厨房の製麺機から出てきたばかりの麺が茹でられ冷やされ行儀よく鎮座している。薄い肉片と梨が少し。食べる直前に店の人が麺にジョキジョキハサミを入れる。そうしているうちに冷えきっている器は結露して汗だらけだ。出汁の効いたスープそのものを凍らせているので食べている間に薄まることがない。麺をすすり込むと全身を爽快感が垂直に駆け抜けていく。いくらでも食べられる。
それまで食べていた冷麺と称するものは一体何だったんだろう。どこでどう作ってるのかわからない麺が生ぬるく甘い液体の中にドロンと入り、チャーシュー、梨、ゆで卵、スイカ、トマト、サクランボなど山盛りの具の下敷きになっている。食べてるうちに氷が溶けてスープはどんどん水っぽくなっていく。途中から何を食べているのかわからなくなる。
韓国では、ちょうど日本におけるラーメンのように冷麺専門店が数多くあり店ごとにスープや麺に工夫を凝らしている。「冷麺の男」に連れられて何軒かまわり、ボクなりのお気に入りの店もできた。その後、日本のどの店で冷麺を食べても失望するばかりであったのだが、先日GMLが言うには、韓国の冷麺専門店に比べても引けを取らないほどCJ社のものがよくできているという。お店に行かなくても自宅で何とかなるかもしれない。
それで残暑の新大久保を彷徨うことになったのだが、ねえちゃんおばはんばあさんの波に巻き込まれてしまい歩きながら溺死寸前。韓流の濁流はいまだに力強く渦巻いているのである。おまけに目当ての冷麺は見つからず。チクショー。
2011年9月7日水曜日