ULNA
ULNA
昨夜から今朝にかけて左肘のあたりが痺れるように痛いので整形外科に行った。痛みは病院に着くとケロッと無くなっているから困るのだけど、診察の結果「神経の脱臼」だと言われる。神経も脱臼することがあるんだ。 肩の方から指先にかけて延びている尺骨神経が、肘の部分で本来のルートから外れてしまい痛みが出ることがあるらしい。ボート選手のように、肘を伸ばしたり曲げたりする動きを続けている人によく見られる症状のようだ。肘部分の骨格模型で説明してもらい解りやすい。
「ボートは控えてくださいね。」
「はい。ボートは控えます。」
あとで調べてみると「尺骨神経脱臼」というらしい。尺骨はラテン語でULNA。肘から手までをつなぐ2本の長い骨のうち、小指側にある骨のこと。
FrancoPOLIデザインの椅子、ULNAを連想する。この椅子は、4本の脚それぞれが細い尺骨のような材2本を組み合わせた構造になっているのでULNAと呼ばれている。座面の具合も背もたれや肘掛けの感触も最高、だけど時々ネジを締め直さないとユルユルになってしまう。人間的な椅子と見える。
FrancoPOLIその人物も大変興味深い。一度だけヴェローナ郊外にある彼のスタジオでお目にかかり、貴重な時間を過ごさせてもらったことがある。ものを創ることの、孤独な喜びと悲しみを全身で引き受けている様がひしひしと伝わってきた。
これからは左肘が痛む度にPOLIさんのことを思い出すだろう。
2011年9月9日金曜日