三鷹駅行き
三鷹駅行き
目覚めると涼しい。
すでに降り始めているので自転車は諦めバスに乗って出かけようとすると、バス停のあたりで土砂降りになった。「大いなる深淵の源がことごとく裂け、天の窓が開かれた」(創7:11)って感じかな。そこにちょうど良くバスがやって来たが、このバスは乗るべきバスとは目的地が違う。でもそんなことかまっていられない程の大雨だ。緊急避難する気分で乗ってみる。
子供の頃から車の中で雨を見るのが好きだ。しかも今日はバスの車窓にいつもと違う景色が流れていて、楽しい小旅行の気分である。
かなりの大回りで三鷹駅に着いた時には小降になっていた。エキナカの書店で電車待ちの間に文庫を一冊購入。
いつもの吉祥寺駅は、一旦改札に入ってしまうと中に書店が無い。おまけに総武線は大概発車時刻のタイミングが悪く、ホームで10分以上待たされることがしばしばある。本を持たずに出かけてしまった日はホーム上のキオスクにならぶ新聞や雑誌のタイトル、売っているお菓子の包装までをひとつずつ大切に眺めてもだえ苦しむ活字中毒者になってしまうのである。今日は三鷹発の始発列車に余裕で乗って座席に座り、買ったばかりの村上春樹を読み出す。
これだけのことで、今朝は豊かな気持ちになる。なんと簡単な人間だろう。
2011年8月20日土曜日