洗礼者ヨハネ

 


「洗礼者ヨハネの誕生日」という日があることを知った。カトリックや、プロテスタントでもルター派や聖公会では祝日扱いなのだが、長老派のプロテスタント教会では特に祝日ではない。


土曜のSDGはバッハがこの日のために作曲したカンタータ30番。ボクはもともと出張の予定があって出演どころか聴くこともできなかった筈が、直前に出張スケジュールが変更になり「出演しないけど聴ける」ことになった。関係各位、ご迷惑をおかけしました。


洗礼者ヨハネはルカの福音書によるとイエスより6ヶ月早く生まれたとされていて、冬至祭りがクリスマスと結びつけられ12月25日になったこととあわせ考え、夏至祭りの日を洗礼者ヨハネの誕生日としているのだという。長じてヨハネは預言者となり、ヨルダン川の水で彼を師と仰ぐ人々に洗礼を授けた。聖書にはヨハネという名が複数登場するが、イエスにも洗礼を授けたということから、このヨハネは「洗礼者ヨハネ」と呼ばれている。


BWV30は合唱とオーケストラが一斉に演奏を開始する華やかな曲。曲のどの部分でもそれぞれの歌い手の個性が滲み出ていて味わい深い演奏だった。


洗礼者ヨハネは、その死の経緯が多くの芸術作品に結実し、文学・音楽・美術愛好者に広く知られている。踊るサロメと、盆に載った洗礼者ヨハネの首のイメージは我々を捉えて放さない。ちなみに「洗礼者ヨハネの殉教日」は8月29日だそうだ。


洗礼者ヨハネは「悔い改めよ。天の国は近づいた。」(マタイ3:2)と宣べ伝えた。単なる道徳的な改心のことではない。これまでの生き方、価値観を逆転するほどの回心を求めたものだ。現在の我々にも突きつけられている新しい課題である。

 

2011年6月27日月曜日

 
 

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